何十年ぶりかの読書感想文
おそらく生まれて初めて、ライトノベル以外の文庫本を読んだかもしれません。
手に取ったのは、現在映画にもなっている、「君の膵臓をたべたい」の原作者、住野よる先生の別作品、「また、同じ夢を見ていた」です。
内容を詳しく書いてしまうとネタバレとかいろいろありそうなので、自分の率直な感想を述べるだけにとどめたいと思います。
・深く、深く考えさせられるお話
主人公の奈ノ花は、本をたくさん読むとても頭の良い小学生の女の子なんですが、このお話は基本的に彼女視点で書かれています。
なので、頭の良い彼女の視点だからこそ、文面全体が「考えれば考えただけ、意味が深くなる」という印象です。いわばスルメみたいな。噛めば噛むほど何とやら。
最初はすごく読みづらかったんですが、中盤辺りからその意味が読めてくると、「これはつまり何が言いたいのだろう」と、探求心を擽られました。
・"幸せ"と"人生"の意味を探せるお話
このお話を読んでいて、特に自分の心に刺さってきたのは、「幸せ」と「人生」についてです。幸せとは何なのか。人生とは何なのか。とても深く、勉強になるお話だと思います。
奈ノ花はかしこいが故に、とても立派な考えを持っています。しかし、ひょんなことから「幸せ」について考えることになります。そのヒントを与えてくれるのが、彼女が日常で出会う「大人」。「大人」達は、彼女に「幸せ」についてのヒントを与えると同時に、「人生」についても色々と教えてくれるのです。
読みながら、まるで自分が奈ノ花になって、大人たちから色々なことを教わっているかのような気分になっていました。
このお話を読み終えた時、正直涙が止まりませんでした。
物語の核心に触れた時に見えてくる、「意味」。
なんて優しい物語なんだろう。
そう思いながら、涙を流し、カフェラテをすすっていました。
それでは。
Arrivederci.(また会いましょう)
明澄空子